糖質制限食の一部否定
ダイエットの代表的なやり方のひとつ「糖質制限食」についてですが、いい面もあるし、悪い面もあります。従って糖質制限の一部のやり方を否定します。
糖質制限の良いところだけ取り入れましょう。
私の経験を含めて解説します。
私は70㎏⇒52㎏へ18㎏のダイエットをしましたが、実はそのうち70㎏⇒56㎏までは糖質制限食のやり方でした。14㎏もの減量です。それだけの十分な実績があります。それなのに何故私が糖質制限食を否定するのでしょうか。
私は58歳の時、あることを契機に何としても長年の糖尿病・高血圧の服薬を止めようと決心しました。(詳しくは、別のコンテンツの「玄米食は小さな教養のひとつかも」参照)
ただ単に薬を止めるだけなら誰にでもすぐにでも出来ますが、私はキチンと正しい食事や運動をして、ヘモグロビン値や、血圧の値を下げ、標準よりは多少高くても、薬不要の状態にまで、何とかしたいと思いました。
そのためには、ダイエットが良いのではないかと言う事で、昔の職場の先輩が白米を食べない事で、ダイエットに成功(一時的にですが)したのを思い出し、その真似をして白米を食べない事にしました。
その時は食と健康等に対する何の知識もなくわかりませんでしたが、後から考えるとそのやり方は一種の糖質制限食のやり方です。先ず3食のうちの1食の白米を止め、そして少しずつ慣れていき、時間をかけ2食を止め、そしてついに3食とも白米を止めました。体重は2年間で10㎏減り、60㎏になりました。
3食とも白米を止めるのは確かに大変でしたが、サラリーマンの仕事の時のストレスと較べれば、どうってことはありません。
しかし体重は減ったものの、ヘモグロビン値や、血圧の値が思うようには下がりません。そこで、糖尿病、高血圧について何十冊も本を読み、キチンと勉強する中で糖質制限食の本に出合い、やはりこうした病気を本源的に治すにはダイエットが必要不可欠だと言うことで、熟読し、自分でも納得して本格的に糖質制限を実行しました。
そしてさらに4㎏体重は減って、56㎏になりました。糖質制限食は間違いなくダイエット効果はあります。そしてヘモグロビン値は薬を飲まないのに9.5⇒5.8まで下がりました。立派なヘモグロビン値です。糖質制限食は、ダイエットに効果があるだけでなく、ヘモグロビン値も下げ、とても素晴らしいものだと思いました。
しかし残念ながら血圧は思うようには下がりませんでした。そこで、さらに何十冊も本を読み勉強する中で玄米、全粒粉、野菜、海藻、果物等を優先摂取するやり方もダイエットにも身体にも良さそうだ、と言うことで従前の糖質制限とは全く相反する部分も多いのですが、そのやり方を実行したのです。
そうしたらその効果はダイエットにとても良いものでした。糖質制限食での体重は56㎏でほぼ頭打ち、限界だったのですが、このやり方でさらにすっと4㎏減、結局52㎏まで減量できたのです。
(その後、プチ断食を取り入れて、さらに2kg減って、50kgになりました。)
しかし、ダイエットには良かったものの、ヘモグロビン値は逆に上がり、血圧は横ばいでした。この数値を見れば、糖質制限食の方が良いという見方もあるかもしれません。
しかし私は最終的に糖質制限の手法ではなく、玄米、全粒粉、野菜、海藻、果物等を優先するやり方を選択しました。
その理由を申し上げます。
① 糖質制限で推奨される肉、ハム、ソーセージ等は、食と健康に関し、世界で、最も信頼されると言って良い、チャイナスタディの本で、それらは身体に悪く、癌、心疾患、脳溢血等の病気を引き起こす可能性が高くなると指摘されています。その信ぴょう性もとても高いと思われ、その食事を多く取り入れることは、健康面で心配です。また、肉等は身体に悪いと主張している本は他にも、沢山あります。これらをすべて否定するのは一寸無理のような気がします。
極端な話ですが、痩せて、ダイエットには成功しましたがが、癌になりました、では全く困ります。
② 根菜類も糖質が多く含まれておりダイエットに良くないということですが、高血圧に良いと言われている玉ねぎも駄目、その他、人参・大根・ごぼう、山芋、また昆布も果物も駄目、と健康に良いと言われている食べ物が軒並み否定され、これは変だ、怪しい、と思ったのです。
こうした根菜類等は食物繊維を多く含んでいます。糖を排除したいが故に、結果的に食物繊維をも排除・否定することになり、健康に不可欠と言われる、食物繊維を摂らないことは、非常に危険、と判断して良いと思います。
③ 乳離れの幼児や小さな子供を考えた際、まさかいきなり肉等をふんだんに与えるわけにもいかず、その取扱い等も考えねばならず、食事が複雑化して変だと感じました。食に限らず、複雑なもの、ややこしいものは変だ、注意しようと言うのが長年の私の感・経験です。
④ 私の場合、以前の普通の食事の際、食後、頭がぼおっとし、眠気が出る時も多かったのですが、糖質制限食は頭がクリアになり、眠気もそれほで感じなくとても良いものでした。しかし玄米等の食事はそれに加え、精神の安寧・安定みたいなものがより感じられ、より良く思われたのです。
⑤ 玄米等の食事は、お通じが抜群に良くなります。私はもともと、便の通じは良く、便秘で悩んだことなどまったくありません。以前は食べると、肛門近くの便が押し出されてきてキチンと排出される、と言うイメージでした。ところがこの玄米等の食事を摂ると、それこそ大腸の中の便が根こそぎ全部スッと出てくるというイメージで、スッキリして爽快なことこの上ありません。
その便も柔らかく、健康的な感じで、人間の免疫力の多くを司っている腸内フローラのバランスが良くなっていることが便を通じて想像されます。
そして、身体全体が良くなっていることが実感されました。身体全体が良くなっている証拠のひとつがお通じですが、その他にも、精神的な安寧・安定も感じられました。
ただし、稀に、玄米が身体に合わない、という方もいないわけではありません。
⑥ 糖質制限食の米を食べないやり方は非常に苦しいやり方です。私は生活習慣病治療の目的もあり何とか乗り越え14㎏のダイエットを達成出来ましたが、はっきり言って誰しもがそう簡単に出来る事ではありません。
特にお米が大好き、白いお米と漬物があれば、ろくすっぽおかずなんていらない、等と言うようなお米好きの方にとっては、糖質制限食の手法は相当苦しいはずです。
私の場合は、特に朝食が問題でした。朝起きての最初の食事が、米なしのハム・エッグ(エッグは2~3個)みたいなものでは、油っぽくて生理的にイヤです。大量のキャベツの千切りと一緒に食べましたが、違和感は拭えませんでした。
一方、玄米食等の方は玄米ではありますが、米を食べる事が出来ます。白米と玄米の差はありますが同じ米ですので私にとって、それほどの違和感はありません。私の感触ですが、玄米食等のやり方は、糖質制限食のやり方と較べて、10倍簡単です。全然楽です。楽、ということは、その方が根本的に良いと言うことも多いようです。ただし、そうでない場合も多いので何とも難しい様です。
⑦ 糖質制限食は必然的におかずだけの食事になり、それを酒の肴としてお酒の好きな方には取り組みやすいですが、結果的に塩・砂糖・食品添加物等の摂取が多くなります。そのことは非常に危険だと私は判断しました。
⑧ 食物繊維の免疫力についてですが、私の経験を、少し述べさせていただきます。
私は、血糖値、血圧が高い外は、病気らしきものはせいぜい風邪だけで、長年だいたい、2年に3回ぐらいの確率で風邪をひいていました。そして風邪をひくと熱は上がりませんが、喉が痛み、咳が出て、倦怠感がだいたい2~3週間続いて自然に治癒するのが、いつものパターンでした。
それが、糖質制限食を止め、玄米、野菜、果物中心の食事に移行したら、まもなく風邪をひきました。ところが、いつものパターンのように、喉・咳・倦怠感の症状が2~3週間続くのかなあと思っていたら、たった3日で完治しました。3日で風邪が治ったという、そんなことは生まれて初めてでした。そして、その後、1カ月ぐらい後にまた風邪をひきました。そんなに短期間にまた風邪をひくのも初めてで、これはおかしいなと思いました。そしてその風邪ですが、夕方4時ごろに喉・咳・倦怠感の症状が出ましたが、何と翌朝の5時ごろに、その症状がすべてなくなって完治しました。たった半日だけの風邪でした。
そしてそれを最後にその後10年ぐらいでしょうか、全く風邪をひくことはなくなりました。同じ食事を摂っている妻も同様に風邪をひくことはなくなりました。
私が思うに、これは食物繊維のおかげで腸内フローラが改善され、免疫力が高まりすぐに治ったものと確信しています。それ以外の理由は全く考えられません。また、2度風邪をひいて、短期間に治った風邪は、一時的な好転反応だと考えています。
(注)好転反応(こうてんはんのう)とは、治療の過程において改善に向かう中で起こる、一時的に悪化した身体反応のことを指す言葉。東洋医学において瞑眩とよばれるものはこれに含まれるとされる。ただし科学的な根拠はなく、標準医療においては用いられない概念である。『 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
糖は人間にとって必要不可欠のものです。従って、それの供給が少なくなってもある程度それを代替できる機能が備わっています。しかし、それを逆手にとって、糖を極端に排除するのは間違っています。
また、糖を排除しようとして、結果として免疫力、自然治癒力を期待できる食物繊維をも排除するような糖質制限は良くないと判断します。
上記理由等で、私はダイエットに関しては糖質制限食を一部強く否定します。
勿論、糖質制限食のその全てを否定するわけではありません。
例えば、糖尿病で足が腐り、もう足を切断するしかない、と言われた方が、この糖質制限食で、足を切らずに済んだ等と言った話も聞きます。失明を免れた人も多いはずです。これは事実です。
厳しい糖質制限食は、膵臓が非常に悪くなり、重度・深刻な糖尿病の患者治療等には良いかもしれませんが、それは純然たる医の治療の話で、それを普通のダイエットのスキルとしてそのまま使うことは例えダイエットにも効果があるとしても否定します、と言うのが当、玄米ダイエットコーチの見解です。